新型コロナウイルス感染症の猛威は既に過去のものとなり、経済・社会活動は随分と正常化が進んでいる。一方でコロナ禍は、経済と社会のデジタル化を加速させ、オンライン会議やリモートワーク・メールでの送付処理等働き方が大きく変わってきた。
そうした社会情勢の中で、当社は県の発注業務量の減少また、中間技術者の退職等により業績が第54期(2022年度)・第55期(2023年度)とも非常に厳しい経営環境となっている。こうした状況を打破するためには、社員一人一人の技術力・業務処理能力アップを図る必要がある。具体的には「知識力」「技術力」「コミュニケーション力」の向上が求められている。
1つ目の「知識力」とは、構造力学・土質力学・水理学・・・といった基礎となる学問に対する正しい理解のもと、業務内容に応じた技術基準・マニュアルはもちろん、関連する論文や最新の技術に関しても、常に習得に努めアップデートする必要がある。また施工に関する知識が抜け落ちた成果物では、受注した建設会社からクレームがつく場合がある。基準書通りの杓子定規にならず、現場条件に応じた柔軟な発想の転換を促す、施工管理全般に関する知識が必要である。
2つ目の「技術力」とは、大きく分けて「条件設定力」と「分析提案力」の2つである。「条件設定力」とは、外的要素である土(地盤、土質、沈下)、水(水位、波浪、降雨)、及び気(風向、風力、台風)と、要求性能である耐震性、施工性、耐久性、美観性等を踏まえて、適切に設定する能力である。また「分析提案力」は、業務上の課題の実態と原因を把握・特定し、客観的な分析を行い、様々な技術・工法の中から業務に最も適した解決手法を提示する能力である。
最後の3つ目は特に重要である「コミュニケーション力」である。建設コンサルタントは打合せだけでなく、日常業務においてメールのやり取りや電話対応が多く占めている。今は多くの発注者が設計の成果品の質よりも、どちらかというと業務での対応力(レスポンスの速さや質問対応の丁寧さなど)を求めている。こうした発注者とのコミュニケーションが円滑になるほど、相互理解が深まり、建設的な議論や速やかな合意形成を図ることができ発注者より高い評価が得られる。
来年の春にはNHKの朝の連続テレビ小説で高知県出身のやなせたかし夫妻の「あんぱん」が放送されることが決定した。そのアンパンマンのテーマソングの一部で「何のために生まれて、何をして生きるのか、わからないまま終わる。そんなのは嫌だ」という歌詞がある。従業員一同がこの歌詞の意味をなぞりながら、今期の指針「知識力・技術力・コミュニケーション力」をつけ、仕事とは何か、幸せとは何かを考える、そうした技術者集団を目指そうではないか。
